チャートで説明するRSIの知っておいて欲しい基礎知識

テクニカル分析

こんにちはシーカーズです

今回はRSIのお話をしたいと思います

RSIはオシレーター系インジケーターの代表格と言っても良いのではと思いますが、皆さんはRSIに騙されたことはありませんか?

私は何度もあります

多くの場合は、RSIの基本的な使い方が分かっていなくて、騙される場合が多いので、RSIの特徴などの説明と共に、具体的に過去のチャートを使って、RSIの使い方を再度チェックしていきたいと思います

皆さんもお時間がございましたら、是非自分の使い方を一緒にチェックしてみてください

解説の流れとしては、まずはRSIの特徴を、最後に注意点に関してのお話しをしたいと思います

RSIの特徴

まずRSIの特徴ですが、売買のタイミングが簡単にわかり、持ち合い相場での逆張りに強く、計算方法がシンプルで、トレンド相場の高値圏や安値圏の判断に利用ができます

そのため初心者の方にも使いやすいですし、私自身2005年に投資を始めてからずっと利用しています

まず売買タイミングに関してお話しします

RSIの売買タイミング

RSIの売買タイミングの判断方法ですが、70以上を買われすぎ、30以下を売られすぎと判断します

指定した期間、一般的には14日に設定することが多いので、直近の15営業日を比較して、あまりに一方的な値動きをした場合、買われすぎもしくは売られすぎと判断します

このタイミングではまだ値動きは反転していませんので、株価推移が天井や底を付けたことを確認するために、70以上に上昇もしくは30以下に下落したRSIが、再度そのラインを反対方向に戻すところを判断基準にすることで、売買タイミングを少し遅らせる代わりに、確実性を上げることができます

それ以外にもRSIの全体的な値動きを見ることで、相場全体がどちらに向かおうとしているのかを判断することもできます

RSIが50以上から上昇している場合は強気、50未満から下落している場合は弱気と言った感じです

これに関しては、チャート形状や移動平均線からも判断できますので、あくまで補助的な役割だと思ってください

持ち合い相場に強いRSI

持ち合い相場に強い

RSIに限らず、オシレーター系インジケーターは、全体的に持ち合い相場に強い傾向があります

特にRSIは持ち合い相場、いわゆるレンジ相場に強く、一定の価格帯で方向感がなく上下している場合、その頂点と底を見極める際にとても使いやすいです

トレンドに従って売買をする方法を順張りと呼ぶなら、RSIは逆張りに強いと考えることができると思います

先ほど売買タイミングに関して、70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎ、と言うお話しをしましたが、これは銘柄や指数、為替によって少し癖があることがあります

例えばですが、レンジが狭い範囲で収まっている場合、RSIは極端に上下に振れる前に反転することがあります

そのような場合は、RSIの期間設定を14日間から短くするか、70や30と言う売買ポイントをもう少し狭い範囲に移動することで、対応する必要がある点には注意が必要です

これは個別の銘柄によって癖がありますので、それぞれで見極める必要が出てきます

例え同じ銘柄でも、季節性や相場の雰囲気で、同じ膠着相場であっても上下の勢いは変化しますので、その点には注意が必要です

では、持ち合い相場の中でどのように売買タイミングを見極めるのか、実際に証券コード8630SOMPOホールディングスを例に見てみましょう

8630 SOMPOホールディングスのチャートとRSI

2020年8月から2021年7月までの約1年間、上昇傾向ではありますが横方向のレンジ相場に入っています

このような持ち合い相場でRSIはその威力をいかんなく発揮してくれます

説明の前にまず気を付けていただきたいのが、ここまでわかりやすい例はあまりありません

日経平均への指数寄与度が高くレンジ相場の銘柄を、あまり昔のチャートでも信ぴょう性が低い気がしましたので近年で丁度良さそうなものを探したのですが、37銘柄目にして見つかりました

ここまで長期間のレンジ相場を維持している銘柄はその程度には珍しいです

通常はレンジ相場とトレンド相場を行き来しながら値動きしますので、このようなチャート形状の銘柄を探すことにばかり固執しすぎないように気を付けてください

チャートでは先ほどお話しした買われ過ぎと売られ過ぎの水準、30と70に線があって、その内側に着色がしてあります

SOMPOホールディングスの場合特徴的なのは、70近くが頂点で、40あたりが底になっている点で、70の上抜けや30の下抜けはなかなか起こっていません

これはRSIの期間を14日に設定していると、そこまでダイナミックな値動きをしているわけでは無いという事になります

期間を変えることでわかりやすくすることもできますが、今回は期間を14日のままで話を進めます

8630 SOMPOホールディングスのチャートとRSIの天井と底値のタイミング

まずRSIが70になった時点で上昇相場が一旦終わり、40を下抜けるところまで下落、ここで2番底を試した後に再上昇に移る傾向があります

売却をする際にはどこで売却していたとしてもある程度の利幅が取れていますので特に問題ありませんが、買いを入れる場合が問題です

単純に40を下抜けたところで買いに入ると、そこからもう少し落ちる場面が散見されます

これを回避するためには、2番底がある前提で2回目の下落時に買いを入れるか、1回目の下落で買いを入れたら、そこから下がり過ぎた水準に損切りポイントを設定しておいて耐えるかです

例えば2021年2月末の下落で早めに手を出した場合、そこからさらに2.5%程度の下落をしています

この際に余裕幅をもって5%程度までの下落を許容する様に設定、今回でいえば4,100円あたりで買った場合3,900円くらいになりますが、ここは2020年11月に上昇局面で一旦休んだ価格ですが、この辺りを損切りポイントに設定して対応していれば、そのまま耐えられたことになります

RSI単体での見極めだけではなく、以前の値動きからどの辺りが底になる可能性が高いのか、自分の資金力でどこまでの損失なら許容できるのか、このバランスを取りながら買いタイミングを探ることが大事だと思います

また全体的な流れとしては、2020年10月の上昇から2021年2月末の下落まで、RSIは50以上を維持している期間が長く、レンジ相場でありながらも強めの相場だったことがうかがえます

それ以上に気を付けたいポイントが、RSIの下値の切り下げです

8630 SOMPOホールディングスのチャートとRSIの底の切り下げ

2021年に入ってからRSIが40を下回るポイントは大きく見ると3か所あります

チャートで見るとその3か所の底値はほぼ同じあたりになっていますが、その間にRSIは下値を切り下げていて、最後の底値では30を下回っています

1回目と2回目のチャートの底値がほぼ同じ、この点からも次も同程度まで下げることが予想できますが、その2か所でRSIも下値を切り下げています

RSIの動きからも、次の底はその前の底のRSIより下押しする可能性があると予想することができます

もちろん相場の流れも大切ですが、RSIからそのような値動きを予想することもできたりする場合があります

では他の特徴の話に戻りましょう

RSIは計算方法がシンプル

計算方法がシンプル

RSIはその計算方法がシンプルなのも特徴の1つです

最近は投資アプリが無料で使えたりしますので、自分で計算するという事は少ないかもしれませんが、計算方法がシンプルなインジケーターほど、その先の値動きからどの程度の変化をするのかを、比較的簡単にイメージすることができます

RSIの計算方法は、一般的には14日間で期間設定しますので、ここでも14日間で説明しますが、14日間の取引の上昇した値幅が、上下全体の値幅の何パーセントなのかを表しています

計算方法は、上昇した値幅を、全体の変化した値幅で割って、100を掛けます

例えば14日間の取引で1,000上昇した際に、その間に600の下落幅があった場合、上昇した値幅÷全体の変動幅×100ですので、1,000÷1600×100で計算ができ、RSIは62.5となります

前日からの値動きの値幅を計算に使用しますので、期間設定を14日にした場合、15日分のデータが必要になります

トレンド相場でも利用できるRSI

トレンド相場の高値圏・安値圏が判断できる

オシレーター系インジケーターに分類されるRSIですが、トレンド相場の天井や底を見極める際に、補助的に利用することができます

この使い方は、RSI単体で判断するというより、他のインジケーターと組み合わせて利用した方が良い点には注意が必要です

チャートにトレンドが発生していて上昇や下落を続けている場合、一旦の反落や反発があっても、そのまま再度同じ方向に強い値動きをする傾向があります

一方的な値動きをしている際には、RSIは高値や安値に張り付いてしまいますので、そこが高値なのか安値なのかの判断に利用することは難しいです

ですがその中でも上下を繰り返しながら、価格を切り上げたり切り下げたりしているチャートの場合、RSIの頂点は少しずつ中央に寄るように勢いが弱まっていき、そろそろ反転時期が近いのでは、と判断することができます

相場が動いている方向と逆方向に動くことから、このような動きをダイバージェンスと呼んでいて、RSIには相場転換のタイミングでダイバージェンスが見られるという特徴があります

では、トレンド相場での反転時期が近いとどう判断するのか、実際に証券コード9983ファーストリテイリングを例に見てみましょう

9983 ファーストリテイリングのチャートとRSI

2019年の2月を底値に上昇を開始、4月に入ってからの強い上昇で、上昇方向のトレンド相場へと入ります

4月から高値を更新しながら上昇していきますが、その中でRSIは上値を切り下げていきます

トレンド相場の中ではありますが、そろそろ上値が重くなってきていることをうかがわせます

9983 ファーストリテイリングのチャートとRSIのトレンド相場からレンジ相場への切り替わりタイミング

最終的に6月に入ったところからレンジ相場へと移行して、7月に高値を付けた後は横方向へ上下を繰り返す相場展開へと変化していきます

絶対的なものではありませんが、このようにトレンド相場の中でもそろそろ上値が重くなってくるのを感じ取ることができます

RSIを使用する場合の注意点

最後にRSIの注意点

相場が強いトレンドに従って値動きしている場合、RSIが高値圏や安値圏になっても、そのまま一方的な値動きをすることがあります

この場合、RSIの買われ過ぎや売られ過ぎのシグナルだけではなく、そこから反転する際に出るシグナルも騙しになります

騙しと言うと、さも意図的に騙されたという印象を受けますが、実際には相場がトレンド推移していることに気が付かずに、オシレーター系インジケーターを使用してしまっていると、このようなことになります

トレンドが発生しているのかどうか、これを見極められないと、この騙しに会うことになります

指数や為替に投資する場合は、これからの経済動向や相場が転換しそうなイベントに気を付けながら、全体の流れを予想することになると思います

個別銘柄などに投資する場合は、全体の流れを予想しながら、狙った銘柄が相場とどの程度相関性があるのかを考慮しながら、個別のニュースにも気を配る必要があると思います

これらのファンダメンタル分析からのアプローチは大事だと思います

ただこれをインジケーターで簡単に調べる方法が無いのかと言うと、あります

それがADXです

ADXだけで判断することは危険だとは思いますが、相場のトレンドの強弱を、視覚的に判断することができます

これも期間設定を14日間に設定している場合、20~30を超えるとトレンドの勢いが強く、現在のトレンドが継続すると判断します

分析する相場によっても多少違いますが、おおむね25が分岐点になります

ここで大切なのは、25を超えると強いトレンドが継続するという事で、上昇か下落かはわかりません

相場の方向性を分析するために、ADXとDMIを併用する分析方法が有名ですが、長くなってしまいますので、ADXとDMIに関しては、この解説の評判が良さそうならお話ししようと思います

実際のチャートだとどうなっているのか、まず証券コード8630SOMPOホールディングスで見てみましょう

先ほど横方向のレンジ相場としてRSIの売買タイミングの説明の時に使用しましたが、このチャートにADXを加えてみましょう

8630 SOMPOホールディングスのチャートとRSIとADX

一番下がADXですが、横方向にレンジ相場を形成する際には、低い値で推移します

このようにADXが低い状態であれば、今がレンジ相場でRSIが機能しやすい状態になっていると判断できます

次に証券コード9983ファーストリテイリングを見てみましょう

先ほどのトレンド相場の反転時期の説明で4月から5月にかけて反転のサインが出て、6月からレンジ相場へと移行したと説明していました

このチャートにもADXを加えてみましょう

9983 ファーストリテイリングのチャートとRSIとADX

先ほどお話ししたように4月のRSIが高値だったところではADXが上昇してトレンド相場へ移行、トレンド相場を維持している間にRSIは高値切り下げを行って相場転換のサインを出し、ADXが低下してきた6月以降はRSIの高安が相場の頂点と底のサインとして機能するようになっているのがわかるかと思います

この説明でRSIすごい、完璧!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この2つのチャートはRSIの説明に適していると考えられる特徴的なものを選んでいます

ここまできれいに毎回RSIが機能するわけではない点には注意が必要だと思います

ただ、なんとなく私がそれっぽいチャートを作って説明しているわけでは無くて、過去のチャートを見ると確かのRSIがしっかりと機能していた相場が実際にあったという事も事実です

インジケーターのサインはあくまで目安

そして最後になりましたが、どのインジケーターにも言えることですが、インジケーターのサインはあくまで目安であって絶対的なものではありません

リーマンショックの様に、なんとかショックと名前の付くような下落が起こった場合、インジケーター分析だけでは相場の高安の判断ができない場面もあります

あくまで自分の売買の判断をする際にサポートしてくれる便利な道具であって、その道具をうまく使えるかどうかは使い手次第だという事も忘れないでいただければと思います

今回はインジケーターの中でも使用頻度の高いRSIのお話をさせていただきました

このブログの内容が少しでも皆さんの取引に役立てば幸いです

今後もインジケーターに関連した解説を作っていくか少し悩んでいますが、評判が良さそうでしたらさらに作ってみようと思います

私も現役トレーダーとして日々取引をしていますので、仮に評判が良くて解説を作ることになっても、次の完成までに時間がかかってしまうかもしれませんが、少しのんびりお待ちいただければ幸いです

それではブログを最後までご覧いただきありがとうございました

シーカーズのRSIの特徴と注意点のお話は以上です

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