【ドル円】有事のドル買いは今まで起こっていた?止まらない円安推移と待たれる為替介入と中央銀行の金融政策変更【週間ドル円予想 2024/4/15~】

ドル円の週間予想

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【ドル円】有事のドル買いは今まで起こっていた?止まらない円安推移と待たれる為替介入と中央銀行の金融政策変更【週間ドル円予想 2024/4/15~】
アメリカのインフレ高止まり観測を受けFRBの利下げ観測が後退、米長期金利の上昇に伴う円安推移が続いています。流石に介入が行われるだろうと考えていた153円を突破してもその気配はなく、何かタイミングを待っているのかと勘繰りたくなります。中東情...

ドル円相場の予想と注意ポイント

ドル円相場の予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間のドル円相場の予想は横ばい、予想値幅は152円12銭から154円00銭です
予想値幅下限はボリンジャーバンド中央線の価格を、上限は金曜日の終値の次の節目の価格を目処に設定、下からボリンジャーバンド中央線が上昇してくるのを待つ形で横ばい気味に推移する展開を予想します

ここ1週間の値動き

ここ1週間のドル円相場の値動きですが、月曜日はFRBの利下げ観測が後退し米長期金利が上昇し円安、火曜日は翌日に米消費者物価指数の発表を控え持ち高調整の債券買いが入り米長期金利は低下し円高、水曜日は発表された米消費者物価指数が市場予想を上回りFRBの利下げ開始が遅れるとの見方が一段と強まり米長期金利が上昇し大幅円安、木曜日は発表された米卸売物価指数が市場予想を下回り円が買い戻される場面はあったものの、FRBの利下げ開始が遅れるとの見方から引き続き米長期金利が上昇し円安、金曜日は中東の地政学リスクの高まりを受けリスク回避の米債券買いが入り米長期金利は低下、円もリスク回避で買われ円高推移して週の取引を終えました

前回はボリンジャーバンド中央線付近を中心に横ばい推移する展開を予想しました
実際には水曜日にアメリカで発表された消費者物価指数の結果からFRBの利下げ観測が後退、米長期金利の強い上昇とともに強い円安推移が発生しています
既に為替介入がいつ行われてもおかしくない水準と考えていた152円の突破と153円の突破も行っているのですが、一向に為替介入が行われる気配がありません
また金曜日の中東情勢に対するリスク回避の動きに関しても大きなものではなく、依然として円安バイアスがかかり続けている状態で、円高方向への修正は為替介入が行われるか、FRBの利下げ観測が強まらない限り厳しいかもしれません
為替介入のタイミングを見極めるのは至難の業だと思いますが、こうなってくると日銀がレートチェックを行うか、日銀金融政策決定会合で利上げを行うなどした後も円安推移が続いたら介入するなど、何かわかりやすい合図があるか具体的なタイミングが無いと動けないのかもしれないと考え始めています

これから1週間の主なイベント

これから1週間の主なイベントですが、全体的に円高バイアスがかかりやすい週になるのではと考えています
月曜日の日本の機械受注は改善見通しで円高バイアス予想、同日アメリカで発表されるニューヨーク連銀製造業景気指数はマイナスの数値を維持し小売売上高は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想、火曜日にアメリカで発表される住宅着工件数は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想、鉱工業生産は改善見通しでドル高円安バイアス予想、水曜日に日本で発表される貿易統計は改善見通しで円高バイアス予想、木曜日にアメリカで発表されるフィラデルフィア連銀製造業景気指数と中古住宅販売件数は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想、金曜日の日本の消費者物価指数は若干鈍化見通しですが中立予想です
これ以外に気を付けたいのが火曜日と水曜日に予定されているベイリーBOE総裁の発言です
このところ欧州の物価上昇の鈍化と景気動向の弱さから、ECBはそろそろ利下げを行うのではという観測が強まっています
この傾向はイギリスも同様である可能性があると考えていますので、この2か所のイベントはドル高バイアスがかかる可能性があります
ただその際の円へのバイアスは中立予想としていますが、場合によっては円も若干安くなる可能性は考えられるかと思います

チャートのテクニカルでは、週を通してボリンジャーバンド中央線を下支えにするような円安方向へのバイアスがかかり続ける展開とはなっていましたが、火曜日までであれば円安方向への強い推移の発生をぎりぎり耐えているといった感じでした
水曜日には一気に上昇してしまいボリンジャーバンド中央線から乖離幅を拡大、エンベロープ上限へかなり接近しました
短期的な過熱感が高まっている可能性がありますので、一旦はボリンジャーバンド中央線に寄せるような推移が出る可能性があるのではと考えています
ただ円安方向への推移があまりにも強いですので、下落してきて寄せるというより、ボリンジャーバンド中央線が上昇してくるのを横ばい推移で待つ形になるのではと考えています

ドル円相場の単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では日足は5日単純移動平均線を下支えにするような上昇推移を継続中で、このまま上昇推移が強めに続く可能性が残っています
ここから横ばい推移に転じるかどうかはまだわからないといった感じです
全ての単純移動平均線が上向きの推移になっていることから、相場は円安推移しやすい環境下にあると判断しています

DMIではADXは20台半ばを上昇推移、現在はトレンド相場だと判断しています

ドル円相場のMACDとRSI

MACDはMACDシグナルの上を上昇推移、依然として上昇トレンドが継続しています
火曜日までの横ばい推移でMACDがMACDシグナルをデッドクロスする直前まで接近しましたが、下抜けを見せないまま乖離幅を再拡大している状態です

RSIはRSIシグナルの上を上昇推移、70台に入り短期的な過熱感はあるものの現在は上昇トレンド相場であると判断していますので、RSIのシグナルは信頼度が低下している状態だと判断しています

あまりに一方的とも思える円安推移が継続しているものの、それを止める手立てがありません
経済指標の内容を考えると週を通して円高バイアスがかかりそうなものですが、如何せん相場の円安推移が強すぎて、上値を抑える役割しか果たせないかもしれません
テクニカルも依然として円安方向へと相場が推移しやすい状態が続いていますし、こうなると日米の中央銀行の金融政策が転換するか、為替介入でも入らないと相場は転換しないかもしれません
金曜日の中東リスクが意識された場面では通常であれば円高方向へと強く推移し始めると考えていいと思うのですが、それすらも発生していない状態です
ただポジションを確認してみると153円周辺ではショートポジションが多く溜まっている状態ですので、仮にここで為替介入を行ったとしてもショートカバーで下落幅が縮まってしまう可能性があります
タイミングとしてはもう少し円安推移が継続してショート勢がもうだめだとポジションを解消する際の円安推移後に介入で叩くか、日銀金融政策決定会合やFOMCで金融政策の転換があったところでタイミングを合わせて介入するくらいしか思い当たりません
少なくとも金曜日までの時点では介入に入りにくい状態で、週内に関してもきっかけが思い当たらないことからこのままの推移が続いてしまうのではと判断しました
以上のことからこれから1週間のドル円相場は、下からボリンジャーバンド中央線が上昇してくるのを待つ形で横ばい気味に推移する展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は155円00銭の上抜けです
予想値幅上限から1円上の価格を目処に設定しています
直近のニュースの内容などを見ていると、152円の上抜けが見られた後の目処としては155円が意識されることが多い模様です
そのためもう1段為替介入の可能性が高まるポイントとして、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は151円58銭の下抜けです
エンベロープ中央線の価格を目処に設定しています
相場が強いリスク回避の調整に動く際にはドル円相場も円高方向への推移を見せる傾向があります
地政学リスクはこのパターンにはまらないことがあるものの、このパターンがはまったことがあります
それが日本のエネルギー問題にダイレクトに影響を与える可能性のあった湾岸戦争です

イラクがクウェートを進行した際の相場の推移

まずイラクがクウェートに侵攻した1990年8月2日の後に下落があり、多国籍軍が攻撃を開始した1991年1月17日に再度下落しています
今回はイランがからむことで日本の原油輸入の中心であるペルシャ湾にも影響が及ぶ可能性があり、その場合にはこのタイプのリスク回避が起こるかもしれません
その場合には大幅な円高推移が起こる可能性がある点を考慮して、相場の方向感が変わるポイントとしてエンベロープ中央線を下抜ける推移、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

あとがき

湾岸戦争の際のチャートを例として下落方向の注意ポイントのお話をさせていただきましたが、有事の際に円高推移が起こるのかどうかは議論が分かれるところだと思います
直近の2つの出来事を例に見てみたいと思います

ロシアがウクライナに侵攻した際の推移

まず2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した際の推移です
この際にはインフレ懸念でFRBの利上げ観測が強まり米長期金利は上昇、ドル円相場も円安推移を強く見せる場面へと入っていきました

ハマスがイスラエルへ攻撃した際の推移

次に2023年10月7日にハマスがイスラエルに攻撃を行った際の推移です
この場面ではアメリカの景気動向に過度な過熱感がなくなり始め、FRBの強い利上げ観測が後退した場面でした

どちらにも共通していることは、初期には多少のバイアスがかかる可能性があるものの、基本的な相場の推移はFRBの金融政策の見通しに左右されたもので、有事の円買いが起こったわけではない点です
一方で今回の中東情勢で懸念されるのが、アメリカが直接的に問題にかかわるかどうかです

湾岸戦争時の推移

先にご覧いただいた湾岸戦争時のチャートですが、こちらはアメリカが直接的にかかわった事例となります
この場合には相場にはバイアスがかかるかもしれないと考えられるわけですが、この場合でも実際に多国籍軍としてアメリカが動いたのは1991年1月17日、ここでいったん円高推移が見られたもののすぐに切り返しています
この当時の相場の記録が私の手元にないためどのような材料で動いていたのかはわからないのですが、複合的な材料が加わらないと単なるリスク回避だけでは円高推移は起こらないかもしれないという点には注意が必要かもしれないといった感じで考えています

実際に今後の推移がどうなるのかは起こってみなければわかりませんし、急な推移への対応に備えることも大事だと思います
為替介入に関してもいつあるかわかりませんし、円高方向への推移が急に起こるリスクがいくつか出始めているのも確かだと思います
ただ個人的には、これは日本株のトレードを今行っているのでそこに関してもそう考えているのですが、今回のリスクをあまりに過大評価しすぎてポジションを取るのは少し危険かもしれないと感じています

それでは今週もご覧いただきありがとうございました
土曜日のしーさんの週間ドル円予想は以上です

【インジケーターの基本設定(変更する場合もありますのであくまで参考です)】
・単純移動平均線
5・25・75・100・200日
・ボリンジャーバンド
期間9・乗数(1)2(2)1
・エンベロープ
期間20・乗数1.5
・MACD
期間12・長期26・シグナル9
・DMI
DI14・ADX14・ADXR14
・RSI
期間14・シグナル9
・一目均衡表
転換9・基準線26・先行スパン(1)26(2)52・遅行スパン26

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