【日経平均・TOPIX】日銀のマイナス金利解除は下落バイアス、FOMCの金利高止まり懸念は円安材料も米株には悪材料【週間日本株予想 2024/3/18~】

日経平均・TOPIXの週間予想

こんにちはしーさんです
日経平均とTOPIXの予想を毎週土曜日に配信している週間日本株予想です
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また投資の結果はあくまで自己責任となりますのでご了承ください
日々の相場の振り返りは月曜日から木曜日まで夜8時ごろからライブ配信を、夜10時ごろから今日の相場の振り返り動画の公開を行っておりますので、そちらもご覧いただければ幸いです

1週間の振り返りと今週の予定

1週間の推移

ここ1週間の値動きですが、月曜日は前週末の米株安や為替の円高ドル安進行を警戒した売りが先行、日銀の3月マイナス金利政策解除観測も相場の重荷となり大幅下落、火曜日は前日の米ハイテク株安を受け値がさハイテク株の一角に売りが先行しますが、為替の円安・ドル高推移を受けて輸出関連銘柄中心に押し目買いが入り日経平均は小幅下落しTOPIXは下落、水曜日は半導体銘柄の一角に買いが入り相場を支えますが、日銀のマイナス金利解除観測から売り優勢になり下落、木曜日は前日の米ハイテク株安を受けて売りが先行しますが、自律反発を見込んだ買いが入り上昇、金曜日は前日アメリカで発表された卸売物価指数が市場予想を上回りFRBの利下げ時期が遅くなるとの観測からハイテク株が売られた流れを受け半導体関連銘柄が売られ日経平均は下落しTOPIXは上昇して週の取引を終えました

前回は日経平均とTOPIXともに下落推移する展開を予想しました
実際には両指数ともに月曜日に強く下落、その流れは火曜日まで続くもののそこから横ばい推移、週末にかけては再下落せずに粘りました
調整に入ってはいるものの底堅い展開となっていることから、アメリカ市場が強く崩れないのであれば、調整の下落が続いてもそこまで深追いしない可能性がある点に注意しながら予想した方が良いかなと考えています

日本市場の主なイベント

これから1週間の主なイベントですが、重要になってくるのは日銀金融政策決定会合かもしれません
市場予想では3月のマイナス金利解除は無いとなっているものの、こちらはどうなるか正直わかりません
予想としては現状維持でバイアスとしては中立予想ですが、引け後の植田日銀総裁の定例記者会見とともに注意が必要なイベントだと考えています
特に日銀金融政策決定会合の結果が発表される火曜日のお昼前後のタイミングにはご注意いただければと思います
これ以外には月曜日に発表される機械受注は鈍化見通しで下落バイアス予想、火曜日の鉱工業生産の確報値は前回から変更されない見通しで中立バイアス予想、木曜日の貿易統計は円安バイアス予想で上昇バイアス予想、金曜日の全国消費者物価指数は高くなりそうで下落バイアス予想です
景気動向は弱く物価は高止まりと、材料としては良いところがない印象です
また水曜日は休場となりますのでご注意ください

日本での企業業績の発表

日本での企業の業績発表ですが、イオンの連結子会社になったツルハHD、同業のサツドラHD、前週にアメリカではAI関連として上昇したオラクルの日本法人である日本オラクル、グロース銘柄ではありますがサンバイオなど、いくつかの有名どころの発表がありますので注意したいところです

アメリカ市場での主なイベント

アメリカ市場の週内のイベントですが、最も注意したいのは水曜日に行われるFOMC後の政策金利発表とパウエルFRB議長の定例記者会見の内容です
ここで注意したいのはFRBが利下げタイミングをどのように考えているかです
パウエルFRB議長の発言内容に関しても注意が必要なのですが、それとともに四半期に1度発表されるドットプロットの内容に変化がないかに注意が必要だと考えています
インフレが鈍化傾向であること自体は確かだと思いますが、そこまで急激な低下もしていないため2024年末の利下げ見通しが引き上げられる可能性があるのではと警戒していて、このような結果となった場合には下落バイアスとなりかねませんし、これが実際に起こるのではと警戒しています
火曜日に発表される住宅着工件数と建築許可件数は改善見通しで下落バイアス予想、木曜日の四半期経常収支とフィラデルフィア連銀製造業景気指数と中古住宅販売件数は鈍化見通しで上昇バイアス予想です
木曜日に景気動向を考えるうえで気を付けなければならないものに購買担当者景気指数がありますが、こちらはまだ市場予想が出ていないためバイアスの予想はしていません
前回発表を下回り50の下抜けなどを起こすと危ないのですが、恐らくそのような悪化はしないだろうと予想していますが、警戒は必要だと思います

アメリカ市場での主な企業業績の発表

アメリカでの企業の業績発表ですが、前週のオラクルは相場にそこまで影響が無いのではと考えていましたが、決算後に10%を超える強い上昇をみせ、AI関連株への買いを促す結果となっていました
そのことからこれから1週間で水曜日に発表される半導体銘柄であるマイクロン・テクノロジーの引け後の決算には注意したいと考えています
同日にFOMCがあるためこちらのバイアスが強くなる可能性もありますがちょっと注意したいといった感じで考えています
これ以外にも木曜日にはフェデックスやナイキもありますのでご注意ください

日経平均の予想と注意ポイント

日経平均の予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間の日経平均の予想は下落、予想値幅は37,200円から39,250円です
予想値幅下限はエンベロープ下限の価格を、上限はボリンジャーバンド中央線の価格を目処に設定、反発してもボリンジャーバンド中央線に頭を抑えられるように下落推移する展開を予想します

投資主体別売買動向

投資主体別売買動向ですが、3月8日までは海外と個人ともに買い優勢です
海外に関しては買いの勢いが弱まるものの個人が買いに転じました
問題はここから1週間で相場が調整に入りましたので、恐らくここで海外の売りと個人の買いという戦いになっているのではと予想しています
仮に次回発表分がそのような傾向となっていた場合には調整に入りやすい可能性があり注意が必要だと考えていて、今のところ若干ネガティブな印象です

15日騰落レシオ

15日騰落レシオですが、過熱感がありません
短期の6日には若干上昇が見られるものの、全体的に中立という判断です

指数ベースPER

日経平均の指数ベースPERですが、依然として22.8倍と非常に高い水準で推移している印象です
そのこと自体が下落のシグナルとは考えていませんが、現在の株価水準は全体的に高いという点は意識してもいいだろうと考えています

空売り比率

空売り比率ですが、一旦43台まで上昇する場面はあったものの、週末には39まで低下していて過熱感はありません
ここにきて空売りをしかける向きが出始めている点は注目で、材料があった場合には仕掛けるような売りが出ることがあるかもしれませんので注意が必要だと考えています

裁定取引残高

裁定取引の残高は、3月8日までの取引で買い残の減少と売り残の急増が確認できます
前回の予想時に3月6日に大きな売り残高の上昇があり警戒が必要だというお話をさせていただいていましたが、その傾向が続いている状態です
3月13日までに関しても同様の傾向が続いていることから、裁定取引での売りが優勢となっています
これはこれまでの堅調な上昇相場での推移からは大きな変化が起こっていますので、相場が調整の下落に入らないか引き続き注意しなければならないのではと考えています

チャートのテクニカルでは、月曜日の下落でエンベロープ中央線の下抜けを見せ、水曜日に反発を試すもののエンベロープ中央線に頭を抑えられる展開、その後も横ばい推移しています
大きく崩れてはいないものの、エンベロープ中央線の下抜けを見せている点と、ボリンジャーバンド中央線がエンベロープ中央線をデッドクロス寸前である点が非常にネガティブです
このまま横ばい推移をしたとしても、一目均衡表の遅行線が日足を下抜けてきますので、横ばいで日柄を稼いでもあまり良いことが無い状態です
下には一目均衡表の雲があることからこの辺りが下値支持になる可能性はあるものの、ある程度の調整は続くと考えた方が良いだろうと判断しています

日経平均の単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では金曜日の推移で25日単純移動平均線の下抜けを見せていて非常にネガティブです
また5日単純移動平均線が25日単純移動平均線のデッドクロスを見せていて、こちらもネガティブなシグナルです
ここからさらに調整に入るシグナルが出ていると判断しています


DMIではADXは40台を下落推移、現在は相場の方向感が失われている状態だと判断しています

日経平均のRSIとMACD

RSIはRSIシグナルの下を下落推移、50台を上回る水準での推移を続けています
まだ大きく崩れていませんが、ここから50の下抜けを見せた場合にはそこから強めの調整相場に入るだろうと考えています
今のところそのシグナルはまだ出ていませんが、落ち始めるとかなり危険な場所にいると判断しています

MACDはMACDシグナルの下を下落推移、乖離幅の拡大を続けています
上昇トレンドが終了したシグナルが以前に出たことと、調整の下落が続いていることは確認できますが、直近の推移では特段のシグナルは出ていないものと判断しています

日経平均は3月11日の強い調整で下落推移に入っているものの、大きく崩れることはなく底堅い展開とも考えられます
一方でこの1週間で反転上昇できなかったことで、さらに強い調整に入る可能性が高まると考えられる各種シグナルが点灯し始めています
いつ強い下落が始まってもおかしくない水準感での推移が続いていて、非常に危険な状態だと判断しました

以上のことからこれから1週間の日経平均は、反発してもボリンジャーバンド中央線に頭を抑えられるように下落推移する展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は39,550円の上抜けです
3月8日の安値の価格を目処に設定しています
強い反発が起こりエンベロープやボリンジャーバンドの中央線を上抜け、さらに3月8日と11日に開けた窓を埋めに行く展開です
この場合はもう1度堅調な推移に戻る可能性が出ると考えていますので、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は37,200円の終値基準での下抜けです
予想値幅下限と同じ価格を目処に設定しています
週内に下支えとなる一目均衡表の雲や単純移動平均線はかなり下の水準となっていて、急落が発生した場合には36,000円の攻防まで起こりかねません
ボラティリティが高まる可能性を考慮して予想値幅下限をかなり広くとっているのですが、その水準も下抜けてくると相場がクラッシュしている可能性も考慮しなければならないと思いますので、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

TOPIXの予想と注意ポイント

TOPIXの予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間のTOPIXの予想は下落、予想値幅は2,540ポイントから2,700ポイントです
予想値幅下限はエンベロープ下限の価格を、上限は3月11日の高値の価格を目処に設定、反発してもボリンジャーバンド中央線に頭を抑えられるように下落推移する展開を予想します

チャートのテクニカルでは、月曜日の下落ではエンベロープ中央線を下支えにしたものの火曜日の続落で下抜けを見せてしまいました
水曜日の反発で一度は上抜けを見せたものの下押され、そこから大きく崩れることが無かった一方でエンベロープ中央線を上抜けて終値を付けることもありませんでした
これまでの上昇相場では見られなかった推移で、調整に入る可能性が高まっていると判断しています
ボリンジャーバンド中央線がエンベロープ中央線をデッドクロスする可能性が高まっていて、これが起こるとさらにネガティブなシグナルが追加されます
大きく崩れていないことから底堅い推移とも考えられるのですが、推移している水準は調整に入る可能性が高い場所だと判断しています

TOPIXの単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では全体的に25日単純移動平均線を下支えにする推移が続いていて底堅い印象です
5日単純移動平均線も25日単純移動平均線への接近は見せてはいますが、依然として上回った水準ではあります
ここから下落を見せて日足の25日単純移動平均線の下抜けや、5日単純移動平均線の25日単純移動平均線のデッドクロスが出てくるとネガティブですが、今のところそのようなシグナルは無く底堅い推移が続いていると判断しています

DMIではADXは30代後半を下落推移、現在は相場の方向感が失われている状態だと判断しています

TOPIXのRSIとMACD

RSIはRSIシグナルの下を上昇推移、強弱の分かれ目である50を上回る水準での推移に終始していて、強い調整を起こすシグナルが出ていません
今後反発した際にはRSIシグナルが頭を抑える展開にならないかに注意が必要で、逆に下落し始めた場合には50を下抜けないかに注意が必要だと考えています
今のところ特段のシグナルは出していない状態だと判断しています

MACDはMACDシグナルの下を下落推移、乖離幅の拡大が止まりました
調整の勢いが収まりつつありますが、今のところ特段のシグナルは出していない状態だと判断しています

TOPIXに関しては依然として強い調整に入るシグナル自体は出ていません
そのため調整に入ったとしても緩やかな推移となる可能性もあり、今回の予想で設定している予想値幅下限はかなり広めに設定していると思います
週内には中央銀行絡みのイベントも多く、特に下落方向のボラティリティの高まりに警戒しているといった感じです
直近の推移ではそこまではっきりと調整に入るのか判断に悩むところもありましたが、それでも調整方向の推移は続くのではと考えました

以上のことからこれから1週間のTOPIXは、反発してもボリンジャーバンド中央線に頭を抑えられるように下落推移する展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は2,755ポイントの上抜けです
3月7日の高値の価格を目処に設定しています
予想としてはここまで強い推移は発生しないと考えていますが、再度最高値更新を続ける相場展開に入るとしばらくの間は堅調な上昇推移が継続する可能性が出てきますので、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は2,540ポイントの終値基準での下抜けです
予想値幅下限と同じ価格を目処に設定しています
今回の予想値幅下限はかなり下に設定していますので、恐らく週内の推移ではここまで下落できないはずです
ただ実際にここまで一気に下落するのであれば、相場はクラッシュしているかもしれませんので、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

あとがき

日経平均にしてもTOPIXにしても、大きく崩れるような兆候があまりありません
相場が調整方向への推移に入っていることは確かだと思いますが、今回設定した予想値幅下限までの下落をするほどの悪材料があるのかと考えると、今のところは特段無い状態です
注意したいのは悪材料が後から出てきた場合です
これから1週間に関しては日銀とFRBのイベントが連続しています
日銀に関して注意したいのは、予想外のマイナス金利解除よりYCC撤廃です
マイナス金利解除に関しては月曜日にも織り込む可能性がありますが、イールドカーブコントロールが終了する場合、日本の長期金利は現在よりも高水準になる可能性があり、今までのように低水準で頭を抑えられなくなった場合は為替相場に円高方向へのバイアスがかかることが想定されます
この場合日本市場にも下落バイアスになるかと思います
次に注意したいのがFRBのFOMCでの動向です
利下げが行われないこと自体は折り込まれているのですが、注意したいのはFOMC後に発表されるドットプロットとパウエルFRB議長の発言です
年内に3回の利下げがあると考えられているわけですが、これが2回などに減少した場合、アメリカ市場は強い調整に入る可能性があり、その際には為替には円安バイアスがかかり日本市場の下支え材料になる可能性があるものの、半導体セクターの下落は強いものとなる可能性が考えられます
ここまで相場が崩れるのを我慢したのがこれから崩れるための準備期間だったのか、それともここから反発が入ってもう1度堅調な相場展開に戻るのか、こればかりは過ぎてみないとわかりませんが、予想としては下方向への警戒を強めた方が良いのではと結論付けました
このタイミングで本当に予想通りに崩れ始めると下げ幅を拡大する可能性もありますので、その点にも併せてご注意いただければ幸いです

それでは今週もご覧いただきありがとうございました
土曜日のしーさんの週間日本株予想は以上です

【インジケーターの基本設定(変更する場合もありますのであくまで参考です)】
・単純移動平均線
5・25・75・200日
・ボリンジャーバンド
期間9・乗数(1)2(2)0
・エンベロープ
期間20・乗数5
・MACD
期間12・長期26・シグナル9
・DMI
DI14・ADX14・ADXR14
・RSI
期間14・シグナル9
・一目均衡表
転換9・基準線26・先行スパン(1)26(2)52・遅行スパン26

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