【ダウ・ナスダック・SP500】後退するFRBの利下げ観測とハイテクセクターへの売り、この調整はいつまで続く?【週間アメリカ株予想 2024/4/22~】

ダウ・ナスダック・SP500の週間予想

こんにちはしーさんです
ニューヨークダウ・ナスダック・S&P500の予想を毎週土曜日に配信している週間アメリカ株予想です
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日々の相場の振り返りは月曜日から木曜日まで夜8時ごろからライブ配信を、夜10時ごろから今日の相場の振り返り動画の公開を行っておりますので、そちらもご覧いただければ幸いです

https://youtu.be/WjgNXe18xoo

1週間の振り返りと今週の予定

アメリカ市場のここ1週間の推移

ここ1週間の値動きですが、月曜日は発表された小売り売上高が市場予想を上回り米長期金利が上昇しハイテク株中心に売り優勢、中東情勢の緊迫化も引き続き売り材料となり下落、火曜日はパウエルFRB議長がインフレ抑制には時間がかかると発言したことで利下げが遅れるとの見方が広がるものの主力株の一部に押し目買いが入りダウは小幅上昇しナスダックは小幅下落しSP500は下落、水曜日はオランダの半導体製造装置大手ASMLが発表した受注額が市場予想に届かなかったことを嫌気したハイテク株売りが出たものの、一部主力株には値ごろ感から買いが入る形で下落、木曜日はニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁が利下げを急ぐ必要性を感じないと発言、発表された前週分新規失業保険申請件数も市場予想を下回る強い内容となり利下げ観測が後退したもののディフェンシブ株の一角には買いも入りダウは小幅上昇しナスダックとSP500は下落、金曜日は発表されたアメリカン・エキスプレスの決算が好調でダウを下支えした一方、ネットフリックスは嫌気されFRBの利下げ観測後退もありハイテクセクターには売りが出てダウは上昇もナスダックは大幅下落しSP500も下落して週の取引を終えました

前回は3指数ともに100日単純移動平均線や一目均衡表の雲を下支えにした形で上昇推移する展開を予想しました
実際にはダウは100日単純移動平均線の下抜けを見せそこで頭を抑えられる展開、ナスダックとSP500に関しては一目均衡表の雲へ突入しナスダックに至っては下抜けまで見せています
相場全体が調整地合いに入っているものと考えていますが、その中でもセクター間の強弱がはっきり分かれている印象で、ハイテク関連には引き続き厳しい相場環境が続く可能性があるのではと考えています
ナスダックとSP500は短期間での強い調整に入っているため、リバウンドの際にも強い上昇が起こる可能性がある点と相場の調整が終わるタイミングの見極めに注意して予想をしていきたいと考えています

これから1週間の主なイベント

これから1週間の主なイベントですが、火曜日の購買担当者景気指数は市場予想が出ていませんが、依然として50を上回る堅調な状態が続いていますので、前回発表からの上振れによる下落バイアスに警戒、新築住宅販売件数は改善見通しで下落バイアス予想、水曜日の耐久財受注は総合が強い見通しで下落バイアス予想、木曜日の四半期GDPは減速見通しで上昇バイアス予想、金曜日の個人消費支出は改善見通しで下落バイアス予想、個人所得が上昇しミシガン大学消費者態度指数が改善する見通しである点も下落バイアスになるのではと予想しています
四半期GDP以外はネガティブな印象です

今週の主な企業業績の発表

企業の業績発表に関してですが、件数が増加しますし重要度も高い状態が続きます
どの日も油断ならないのですが、特に気を付けたいのが水曜日と木曜日、水曜日にはボーイング・バイオジェン・メタ、木曜日にはアマゾン・アルファベット・インテル・マイクロソフトと大手の発表が控えています
特に木曜日の発表は場が引けてからとなりますので、実際の影響が出てくるのは金曜日になる点にもご注意ください

ニューヨークダウの予想と注意ポイント

ニューヨークダウの予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間のニューヨークダウの予想は下落、予想値幅は37,000ドルから38,500ドルです
予想値幅下限は2023年12月20日の安値の価格を、上限は75日単純移動平均線の価格を目処に設定、短期的に75日単純移動平均線までの反発を見せる可能性はあるものの下落基調は続く展開を予想します

チャートのテクニカルでは、一目均衡表の雲の下抜けも見せてしまい、はっきりと調整に入った印象があります
現在はボリンジャーバンド中央線にも頭を抑えられる形となっているため下落の勢いが弱まるかの判断を保留したいところですが、ここから反発に入ったとしてもエンベロープ中央線の上抜けを見せるまでは強い展開に戻ったと判断できない可能性がある点に注意が必要だと考えています
仮にここから大きく崩れない場合でも、昨年12月にもみ合った水準までの下落は考えておくべきだと思います

ニューヨークダウの単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では日足は100日単純移動平均線を下抜けてしまい、その水準に頭を抑えられる展開となっている点はネガティブです
一方で金曜日の推移が5日単純移動平均線を下支えにできたのは良かった点です

DMIではADXは20代後半を上昇推移、現在はトレンド相場だと判断しています

ニューヨークダウのMACDとRSI

MACDはMACDシグナルの下を横ばい推移、乖離幅の縮小を見せています
推移している水準感は強弱の分かれ目である0を大きく下回る展開となっていて軟調です
少なくともMACDがMACDシグナルをゴールデンクロスする推移を確認するまでは調整地合いが続きやすいと想定するべきだろうと考えています

RSIはRSIシグナルの下を上昇推移、短期的な反発を見せています
短期的な反発で50まで上昇する可能性が考えられるものの、2番底を付ける可能性があると予想しています
下落トレンド相場に入っていると判断していますので、MACDがMACDシグナルをゴールデンクロスするタイミングとRSIのRSIシグナル上抜けのタイミングが揃うあたりが大底になるのではと考えています

しっかりとした調整に入っている印象ですので、今回の下落での大底の見極めは慎重に行った方が良いだろうと考えています
特に短期的な反発による騙しに注意したいタイミングだと判断しました
以上のことからこれから1週間のニューヨークダウは、短期的に75日単純移動平均線までの反発を見せる可能性はあるものの下落基調は続く展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は39,300ドルの終値基準での上抜けです
2月23日の高値の価格を目処に設定しています
意識しているのは一目均衡表の雲の上抜けとエンベロープ中央線の上抜けです
これらがはっきりと見られた場合、予想とは異なり今までの調整相場から堅調な推移に戻る可能性が出てくると考えていますので、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は37,000ドルの終値基準での下抜けです
予想値幅下限と同じ価格を目処に設定しています
相場の調整パターンとして週内にここまで下落が進んでしまうとかなり危険だと考えています
想定される最初の底値は昨年からの大きな上昇相場の高安の半値基準36,100ドル周辺までの下落ですが、ここは出来高が薄く下抜ける可能性があると考えています
その場合にはこの半値基準から下のどこかの節目まで下落が続く可能性が高まり下落幅がかなり大きくなる危険性が高いと考えていますので、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

ナスダックの予想と注意ポイント

ナスダックの予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間のナスダックの予想は下落、予想値幅は14,600ポイントから15,800ポイントです
予想値幅下限は200日単純移動平均線の価格を、上限は75日単純移動平均線の価格を目処に設定、短期的な強い反発を見せる可能性があるものの相場の下落方向への流れは続く展開を予想します

ナスダック100の予想値幅は16,270ポイントから17,700ポイント、予想値幅の設定はナスダックと同様です

チャートのテクニカルでは、週内の急激な調整で一目均衡表の遅行線の日足下抜けと転換線の基準線下抜け、そして雲の下抜けと三役逆転となってしまいました
日足がエンベロープ下限に接触していることから下落の勢いには過熱感があり一旦は短期的な反発が起こる可能性が考えられるものの、相場がここから転換できそうな兆候は今のところ無さそうです
最初の上値抵抗と考えられるボリンジャーバンド中央線からもまだ乖離幅が大きい状態で、まずはここの上抜けを見せられるかどうかといった感じだと思います

ナスダックの単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では金曜日の下落で一気に100日単純移動平均線も下抜けてしまい下値支持として機能していません
調整の勢いがあまりにも強い印象です
月曜日に関しても反発が見られない場合には200日単純移動平均線のある14,600ポイント周辺までの調整を覚悟しておいた方が良いと思います

DMIではADXは10代後半を上昇推移、現在はレンジ相場だと判断しています
このまま下落が続けばすぐに20を上抜けてきますので、このままトレンド相場に突入するという考え方で良いと思います
今回はRSIから見ていきたいと思います

ナスダックのRSIとMACD

RSIはRSIシグナルの下を下落推移、30に接触する強い下落を見せています
ナスダックが調整に入る場合、通常であれば30手前で反発が入ります
短期的な売られすぎの水準にあることからいったんは強い買い戻しが入ってもおかしくない反面、今回の下落が通常の調整に比べて勢いがかなり強い点に注意が必要だと考えています

MACDはMACDシグナルの下を下落推移、乖離幅の拡大を続けています
ナスダックはこのまま下落トレンド相場に入ると考えていいと思います
今後はMACDがMACDシグナルをゴールデンクロスするまでは下落基調が続く展開に入るという判断で良いだろうと考えています

ナスダックは短期的に強すぎる下落を見せていると考えられる反面、調整相場が終わったとは考えられずしばらくは軟調な推移が続くのではと判断しています
直近の下落時の日中のボラティリティがかなり高かったことから、短期的な反発が入った場合にも大きなボラティリティを伴った買い戻しが入ると想定されますが、そこで相場が大底を打ったと騙されないように慎重に相場を見ていくべきだろうと考えています
そのため短期的な反発の可能性を考慮するべきだとは思いますが、下落基調が続くという考えを継続した方が良いだろうと判断しました
以上のことからこれから1週間のナスダックは、短期的な強い反発を見せる可能性があるものの相場の下落方向への流れは続く展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は16,100ポイントの終値基準での上抜けです
ナスダック100では18,050ポイントの終値基準での上抜けです
どちらも2月12日の高値の価格を目処に設定しています
今回の調整相場が行き過ぎた短期的なものだった場合の推移で、日足がボリンジャーバンド中央線や一目均衡表の雲の上抜けを見せる展開となります
タイミングによっては25日単純移動平均線やエンベロープ中央線に頭を抑えられている可能性があり、そこも上抜けていると相場展開が好転している可能性が考えられるため、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は14,500ポイントの終値基準での下抜けです
ナスダック100では16,250ポイントの終値基準での下抜けです
どちらも1月4日の安値の価格を目処に設定しています
ここは昨年からの大きな上昇相場の高安の半値基準に位置していて、ある程度しっかりとした下値支持になる可能性があるポイントだと考えています
しかもたった5営業日でここまで下落してしまうと、相場がクラッシュしている可能性が出てきてしまいます
その場合は最終的に大きな上昇相場の起点である12,500ポイントまでの調整もあり得ると考えていますので、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

S&P500の予想と注意ポイント

SP500の予想値幅

チャートではボリンジャーバンドとエンベロープと一目均衡表を表示しています
これから1週間のS&P500の予想は下落、予想値幅は4,800ポイントから5,100ポイントです
予想値幅下限は2023年12月2日の高値の価格を、上限は2月23日の高値の価格を目処に設定、短期的な反発が入る可能性があるものの下落基調は継続する展開を予想します

チャートのテクニカルでは、一目均衡表の雲こそ下抜けてはいないものの明らかに弱い展開へと入っています
下落の勢いが強すぎて一旦の底値目処が予想しにくい状態です
SP500の直近の推移ではエンベロープ下限に接触することはまれでしたが、このまま一方的な下落を続けた場合は2022年のような上下のボラティリティが非常に高い相場展開が現れる可能性もあるのではと警戒しています
これまでの推移の傾向で考えると明らかに一方的に売られすぎですので、そろそろ短期的な自律反発が入ってもおかしくないタイミングだと考えています

SP500の単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では100日単純移動平均線の近くまで下落してきていますので、まずはここで下落がいったん止まるポイントとなる可能性がありますが、ここまでのところ75日単純移動平均線も下値支持線として機能しませんでしたのでこのまま下抜ける可能性もあり得ます
気を付けたいのはこの100日単純移動平均線が機能しなかった場合で、その場合はこのまま200日単純移動平均線までの調整を行ってしまう可能性が出てきてしまいます
そのため今起こっている調整相場はかなり危険なタイプのものだという認識を持った方が良いと考えています

DMIではADXは20台半ばを上昇推移、現在はトレンド相場だと判断しています

SP500のMACDとRSI

MACDはMACDシグナルの下を下落推移、乖離幅の拡大を続けています
MACDシグナルも強弱の分かれ目である0を下抜けてしまいネガティブな状態に変化しています
強い下落トレンドに入っている状態だと考えられますので、MACDがMACDシグナルをゴールデンクロスするまでは相場は弱い基調が続くと考えた方が良いだろうと判断しています

RSIはRSIシグナルの下を下落推移、30接触直前となっています
売られすぎの過熱感がある状態ですが、現在はトレンド相場だと判断していますのでシグナルの信頼度は低下している状態だと判断しています

一方的な下落になっていて短期的には売られすぎの状態にいることは確かだと思いますし、下落時のボラティリティが高いことから短期的な自立反発も強いものになる可能性が考えられるかと思います
一方で相場が調整に入っていることは確かだと思いますし、その勢いが強いことから再度持ち直すまでにはある程度の日柄を要するものと判断しました

以上のことからこれから1週間のS&P500は、短期的な反発が入る可能性があるものの下落基調は継続する展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は5,100ポイントの終値基準での上抜けです
予想値幅上限と同じ価格を目処に設定しています
この水準まで再上昇すると、一目均衡表の雲の上抜けやボリンジャーバンド中央線の上抜けを見せる展開となり、相場が好転し始めている可能性が出てきます
上にはエンベロープ中央線が推移していることでここが上値抵抗となり反落する可能性は残されているとは考えらますが、急激な調整相場からレンジ相場の形での調整に切り替わるか、さらに強ければ上昇相場に戻れる可能性も出てくると考えられますので、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は4,680ポイントの終値基準での下抜けです
1月4日の安値の価格を目処に設定しています
昨年からの大きな上昇相場の高安の半値基準の価格となりますので、今回の調整相場はここで底を付けるのかそれともさらに調整を続けるかの勝負になるだろうと考えていますが、週内にここを下抜けるほどの調整を見せてしまうと最終的には今回の上昇の起点である4,100ポイントを目指すような強い調整に入りかねないと考えられるかと思いますので、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

あとがき

中東情勢の緊迫化に伴う相場への下押し圧力はあったものの、アメリカ市場に強くバイアスをかけている大きな要因はFRBの利下げ観測の後退と個別の企業決算だという認識を持っています
週末金曜日の値動きも、個別の企業決算を材料にしたネットフリックスへの売りやFRBの利下げ観測後退を材料にしたハイテク株への売りによるナスダックとSP500の軟調推移、一方でアメリカン・エキスプレスの堅調な推移によるダウの上昇と、アジア時間にあれだけ相場を振り回した中東情勢はほぼ材料視されなかったものと考えています
中東情勢の緊迫化がこれで終わると考えるのは楽観的過ぎる可能性がある一方で、アメリカ市場の調整はそもそもFRBの利下げ観測の後退という材料から起こったものだという認識を改めて持った方が良いかもしれないといった感じす
そのアメリカの利下げ観測ですが直近でかなり後退した形となっていて、FedWatchでは年内の利下げを1回しか折り込んでいません

FedWatchでの利下げ見通し

FOMCで3月に示されたドットプロットでは年3回の利下げが見込まれていましたが、直近のパウエルFRB議長の発言では利下げの開始時期の後ずれを示唆するような発言も出てきていて、以前は早期の利下げを織り込みすぎて修正したFedWatchに対してFRBは一貫した姿勢を貫いていたわけですが、今回はFRBがFedWatchの見通しに修正していく可能性も出てきています
アメリカの景気動向自体は強いということは変わらないのですが、利下げ観測を強く折り込むことで上昇してきたハイテクセクターには悪材料となりそうです
またオランダのASMLや台湾のTSMCの決算発表では示された先行き見通しが若干弱かったことも悪材料となっている模様です
今回の調整の速度は比較的急ですので、大底を見極めるまでには日柄が必要かもしれません
急激な反発は起こる可能性があることからそこで上昇の値幅を取ることは可能かと思いますが、基本的には上値が抑えられる展開となることが想定されますので、反落のタイミングにも注意が必要かと思います
実際に9月が利下げタイミングとなるようであれば、年央までは調整が続いてしまってもおかしくない点も併せて警戒しておきたいと考えています

それでは今週もご覧いただきありがとうございました
土曜日のしーさんの週間アメリカ株予想は以上です

【インジケーターの基本設定(変更する場合もありますのであくまで参考です)】
・単純移動平均線
5・25・75・100・200日
・ボリンジャーバンド
期間9・乗数(1)2(2)0
・エンベロープ
期間20・乗数5
・MACD
期間12・長期26・シグナル9
・DMI
DI14・ADX14・ADXR14
・RSI
期間14・シグナル9
・一目均衡表
転換9・基準線26・先行スパン(1)26(2)52・遅行スパン26

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