シリコンバレーバンク経営破綻の影響は?

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こんにちは、しーさんです

アメリカ市場がシリコンバレーバンクの経営破綻をきっかけに大きく下落、ドル円相場で強い円高推移が発生しています

以前から経営上の問題があるのではないかと言われていたシリコンバレーバンクですが、今回どのような経緯で破綻したのかを振り返ってみたいと思います

シリコンバレーバンクは1983年に設立された銀行で約40年の歴史を持ちます

IT関連のスタートアップ企業への積極的な融資を行っていたことで有名でした

今回の金融破綻の背景には、FRBが大規模な金融緩和を行ったというのが理由の一つにあります

コロナウイルスの感染拡大への対応として大規模な金融緩和を行うことで、スタートアップ企業にも資金が流入することで預金が増加、シリコンバレーバンクはその資金を国債などの債券で運用していました

ですがFRBが昨年3月以降インフレを抑え込むために利上げを開始、債券の価格が下落することによって経営環境が厳しいものとなりました

その環境の中でスタートアップ業界全体の低迷に起因すると考えられる比較的大規模な預金流出が発生、損失の出ている債券を売却せざるを得ない状況となりました

そして価格が下落した債券の売却で損失が出て経営が悪化したことを知った顧客は、銀行に預けていた預金のさらなる引き出しを行うこととなりました

結果シリコンバレーバンクは資金難に陥り、経営破綻へと繋がってしまいました

その間にも増資などを行うことで資金調達をしようと考えていたのですが、その試みは間に合わなかった模様です

今後予定されていることは、カリフォルニア州の規制当局がシリコンバレーバンクを閉鎖、米連邦預金保険公社が管財人となり、預金者や債権者を含む顧客に資金を返済するために銀行の資産を売却することとなります

問題となるのはシリコンバレーバンクに預け入れをしている企業の手元資金が枯渇する可能性がある点です

早い段階で資金を引き上げることが出来た場合には問題にはならないのですが、預金をしたままの場合であれば現在は引き出すことができないはずです

13日の営業開始時には保護されている25万ドルまでは引き出しができるようになる模様ですが、それ以上に関しては米連邦預金保険公社が資産を売却して換金することにより、徐々に引きおろしができるようになる模様です

この25万ドルという金額は日本で言うところの預金保険制度で保障されている1000万円に当たるものです

銀行の破綻が起こった場合、このような形で資金が引き出せず手元資金が枯渇することを防ぐために、他の銀行が一旦引き受ける形で資金凍結が起こらないようにする処理をする場合もあるらしいのですが、今回関しては引受先が見つかっていない模様で、今後引受先の銀行が見つかるのか、もしくは政府の介入があるのかに関しても気をつけて見て行かなければならないかもしれません

仮にこのまま米連邦預金保険公社が資産を売却するまで預金へのアクセスができないと、場合によっては預金をしている一部企業が破綻する可能性もあるかもしれません

ただ具体的にどの程度の数の会社、もしくはどの会社がという話題は出てきていない模様です

他に懸念があるとすると、今後もシリコンバレーバンクと同様の現象が他の銀行にも波及しないかどうかです

シリコンバレーバンクの場合債券を売却することによって損失が発生、結果的に資金難へと陥っています

ほかの銀行でも同じように債券を売却しなければならないような状況になった場合、シリコンバレーバンク同様資金難に陥る可能性はあります

シリコンバレーバンクはポートフォリオ上57%程度の資金を債券で運用していましたが、ここまで比率が多くなっていたのはシリコンバレーバンクのみのようです

アメリカの主要74行のうち、この比率が42%を上回る銀行は今のところない模様です

ただシリコンバレーバンク同様、預金の引き出しが急激に行われた場合には健全性に問題点が現れる銀行がある可能性は今のところ残っています

今のところ分かっている材料で考えると、今回の強い金融市場の下落は相場がショックを受けたことによる急変と考えることができそうです

同様の問題が他行に及ぶのかというと、今のところそのような情報もない模様です

一方でわからないのが、手元資金が枯渇することによる企業の倒産が起こらないかどうかです

これに関しては正直なところ分かりません

今後スタートアップやテック企業に対する資金の流入が減少する可能性は考えられますし、今回の出来事は表面化していない企業の業績悪化があらわれた結果なのかもしれません

その面ではテック企業の業績などに問題点がないのかに関しては注意が必要かもしれません

これから先の影響に関しては意見が分かれるところかと思います

金曜日のショック的な反応である程度折り込んだと考える場合と、今回の出来事をきっかけに信用収縮、いわゆるクレジット・クランチが発生するかどうかです

これに関しても正直なところ分かりません

これらに関してはシリコンバレーバンクがどのような運用を行っていたのか、そして現在の損失がどの程度なのかによって変わってくるかと思います

損失の内容がはっきりした際には、そのまま忘れ去られていくのか、それとも新たな問題として再度スポットライトが当たるのか、今の段階ではわかりません

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