【ドル円】弱い経済指標とタカ派寄りの要人発言、米10年債の切り返しにも要警戒【週間ドル円予想 2024/5/20~】

ドル円の週間予想

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【ドル円】弱い経済指標とタカ派寄りの要人発言、米10年債の切り返しにも要警戒【週間ドル円予想 2024/5/20~】
前週までの傾向で考えると、アメリカの経済指標には弱いものが多い傾向になる中で、要人発言は依然としてタカ派寄りのものが多い印象でした。今回の予想でもその方向性は変わらないものと考え予想をしようと思いますが、週前半に関しては要人発言が集中してお...

ドル円相場の予想と注意ポイント

ドル円相場の予想値幅

これから1週間のドル円相場の予想は円安、予想値幅は154円70銭から157円70銭です
予想値幅下限は5月15日の安値の価格を、上限はエンベロープ上限の価格を目処に設定、週前半は円安推移を継続し後半にかけて上昇の勢いが弱まる展開を予想します

ドル円相場の1週間の推移

ここ1週間のドル円相場の値動きですが、月曜日はニューヨーク連銀が公表した4月消費者調査で1年後の予想インフレ率が3.3%と前回の3.0%から上昇、アメリカのインフレ懸念が強く日米金利差が開いた状況が長引くとの観測から円売りドル買い優勢となり円安、火曜日は発表された米卸売物価指数は市場予想を上回ったものの3月分が下方修正され物価上振れへの過度な警戒感が薄れ、米長期金利は指標発表直後に上昇した場面はあったもののその後は下落、ただ日米金利差は開いた状態が続くとの見方から積極的な円買い戻しは起こらず円安、水曜日はアメリカで発表された消費者物価指数と小売売上高が市場予想を下回りFRBの利下げ観測が強まり米長期金利は低下し円高、木曜日はニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁がタカ派寄りの発言を行ったことで米長期金利が上昇し円安、金曜日はFRBのボウマン理事が講演で利上げの可能性に踏み込む発言を行ったことでFRBの利下げ観測が後退し米長期金利は上昇し円安推移して週の取引を終えました

前回は経済指標の発表時にボラティリティを伴った値動きが発生するものの、全体としては緩やかな円安推移を継続する展開を予想しました
実際には水曜日の予想外に強い下押しで週を通すとほぼ横ばいの推移となりました
土曜日の予想からは大きくずれていない印象もあるのですが実際のところはそうではなく、水曜日の下落でいったん円高方向へ切り返した可能性を考え予想を変更、しかし木曜日の推移で再度円安基調へと戻る形となり週内に見通しを変更したことで最終的に2度予想を外すこととなってしまいました
反省点としてはFRBの関係者からの発言は基本タカ派、アメリカで発表される経済指標は下ブレする可能性があると想定して予想を行うべきだった点だと考えています
今回の予想ではこの点に気を付けながら考えていきたいと思います

ドル円相場の主なイベント

これから1週間の主なイベントですが月曜日のパウエルFRB議長の発言はドル高円安バイアスになる可能性があるものの時間が微妙でそこまで強いバイアスにはならないかもしれません
火曜日にはラガルドECB総裁とベイリーBOE総裁の発言がありこれらはドル高バイアス予想ですが、ドル円にはニュートラル気味になるのではと考えています
この辺りで注意していただきたいのは、連銀総裁やFRBの関係者からの発言が月曜日から火曜日に集中して出てきますので、他の方の発言内容にも注意が必要だという点です
恐らくですが全体的にタカ派寄りの発言になると予想していますので、相場へのバイアスとしてもドル高円安バイアスがかかるものと考えています
水曜日の日本の機械受注は鈍化見通しで円安バイアス予想、アメリカの中古住宅販売件数は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想、FOMC議事要旨はタカ派気味なのを再確認することでドル高円安バイアス予想、木曜日の購買担当者景気指数は改善見通しでドル高円安バイアス予想、新築住宅販売件数は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想です
金曜日に日本で発表される消費者物価指数は鈍化見通しで円安バイアス予想、アメリカで発表される耐久財受注は鈍化見通しでドル安円高バイアス予想です
週後半はどの指標が重視されるかで相場の方向感が変わりそうですが、均してみると横ばい気味、週を通すと円安方向へのバイアスがかかりやすそうかなといった予想です

チャートのテクニカルでは水曜日の下落でいったんエンベロープとボリンジャーバンドの両中央線を下抜けましたが木曜日には反転、依然として円安基調は続いているものと判断しています
注意したいのが相場の大きな方向感が変わらないかどうかで、4月29日の高値と5月3日の安値の範囲で上下して緩やかに中央値あたりに収束し始めていますので、この推移が続いた場合には上下どちらかに新しい方向感を持った値動きが強く発生する可能性が出てきていると考えています

ドル円相場の単純移動平均線とDMI

単純移動平均線では水曜日にいったん25日単純移動平均線の下抜けを見せたものの、木曜日以降はここを下支えにするような上昇推移を続けていて、大きな円安推移の流れは今のところ転換していないものと判断しています

DMIではADXは27台を下落推移、現在は相場の方向感が失われている状態だと判断しています

ドル円相場のRSIとMACD

RSIはRSIシグナルの下を上昇推移、RSIシグナルと接触していてここで頭を抑えられるかのどうかといった感じの推移になっています
ただこの調整は終わる可能性もあります
強い調整が続く場合のRSIの推移は、下値を切り下げる形で反発を繰り返し、RSIシグナルに頭を抑えられるような反落を見せるのですが、直近の推移では下値を切り上げています
推移している水準も50を上回っていますので、今回はこのまま上抜ける可能性がある点に注意した方が良いかもしれません

MACDはMACDシグナルの下を下落推移、MACDシグナルに頭を抑えられるような形になっています
強い上昇相場ではなく調整気味になっている状態ですので、上昇したとしても緩やかな角度で推移していくものと予想しています

週内に関してはまだそこまで強い方向感を持った推移は現れないのではと予想していますが、全体的な相場の方向感が円安推移であることには今のところ変化がなく、下押されても基本は円安推移という見通しで良いのではと考えています

週前半の要人発言スケジュール

週前半には要人発言が集中していますので、経済指標の材料がない中で強く意識される可能性があると考えていますが、その内容はインフレの鈍化が確認できるまでは現在の金利の水準を変更しないという発言になるか追加利上げの可能性を示唆するものになるだろうと予想しています

アメリカの10年債利回りの推移

米10年債利回りの推移も調整を終えて反発に入ろうとするようなものに変化していますので、日米金利差からかかるバイアスも円安方向になるものと予想しています直近に関しては米長期金利の推移との相関性が弱くなっている印象はありますが、方向感の相関性自体は崩れていないものと考えていますので、ここからの反発局面では少なからず円安バイアスをかけてくるものと予想しています

ドル円相場のインジケーターからはもう1段下押される可能性が残されていると考えられるものの、週前半にある要人発言はそれを押し返すだけの強いバイアスをかける可能性が高いのではと予想しました
以上のことからこれから1週間のドル円相場は、週前半は円安推移を継続し後半にかけて上昇の勢いが弱まる展開を予想します

ここからは予想外の動きをした時に注意していただきたいポイントです

上昇方向は157円70銭の上抜けです
予想値幅上限と同じ価格を目処に設定しています
ドル円相場の推移は円安基調ながらも、勢いとしてはそこまで強い方向感を持ったものにはならないのではと予想しています
この辺りはインジケーターの推移から考えると強いトレンド相場に入ると考えらえるような環境下には無いことから、予想値幅としては広めに価格設定してはいるもののここまでは上昇しないだろうとも考えています
その上限を上抜けてくるようであれば想定とは異なるかなり強い円安推移に相場が転換している可能性が出てきますし、そのまま160円を目指すような強い展開に入りかねないと考えていますので、ここを上昇方向の注意ポイントに設定したいと思います

下落方向は153円60銭の終値基準での下抜けです
5月16日の安値の価格を目処に設定しています
要人発言が思いのほかハト派だった場合にはいったん円高推移が発生する可能性はありますが、それで相場の方向感が変わるのかは判断が難しいところだと考えています
依然として日米金利差が開いた状態であることには変わりありませんし、直近の推移もそれを示すようなものだと考えています
ただ5月16日の安値を終値基準で下抜けてくると相場の方向感が変化するかどうかの転換点に差し掛かると思います
最も大切なのはこの価格の下抜けではなくて、5月3日の安値を更新する、特に4月末の高値と5月14日の高値の価格差、大まかには1円から2円くらいなのですが、これと同様の価格差をつけて底値を付けるかどうかだと考えています
価格でいうと151円から152円となりますが、この辺りまで終値基準での下げ幅を拡大、そうなってくると仮に反発しても上下を切り下げるレンジ相場、さらにそのまま下抜けてしまえば強い円高方向への調整へと入りかねません
153円付近での攻防はかなり大事だと考えているわけですが、その攻防に入ってしまってからでは対応が遅れかねないと考えていますので153円60銭の終値基準での下抜け、ここを下落方向の注意ポイントに設定したいと思います

あとがき

FRBの利下げ観測の強弱感によってドル円相場にその都度バイアスがかかっているわけですが、これまでとは異なりFedWatch Toolで確認できる利下げタイミングの見通しは特に変化がありません

FedWatch Toolでの利上げ確率見通し

次回のFOMCが6月にありますが、その次の7月までは高確率で利下げはなく、9月か11月に利下げがあるだろうという見通しです
この内容自体は随時変化しますのであてになるわけではないのですが、相場が現在どの程度の利下げを織り込んでいるのかを知るうえでは目処になります
直近に関しては9月の利下げが前後しないかどうか、この辺りが大切になってきそうです
併せて気になるのがその後の利下げ観測です
今年の年初は連続的な利下げを織り込むような形になっていたのですが、現在では来年の4月FOMCまで含めても2度の利下げしか折り込んでおらず、ここまで慎重だと実際に利下げを行った後は水準感こそ円高方向にシフトするものの、強い円高方向への推移は発生しない可能性もあるのではと警戒しています

現在の155円という水準は昨年までの一般的な日米実質金利差からの計算ではあまりに円安に振れてしまっていて、適正な水準とはいえないかもしれません
そのため利下げが行われた場合には、これまでの行き過ぎた円安を修正するように一気に140円台の攻防まで円高が進む可能性があるとは考えているものの、そこから一気に120円を目指すような展開にはならず、適正水準でのレンジ気味の相場に再度移行するのではといった感じで予想しています
ただこれも実際に利下げが行われるかどうかが大事かもしれません
直近の要人発言はタカ派のものが多く、株式市場の強い上昇を考えると今後も資産インフレの影響で物価上昇が続く可能性もあり、安易に利下げに動けない可能性が高まっているかもしれません
週前半に関しては特にこの辺りの思惑を意識した要人発言への反応で相場が振り回されるかもしれませんので、前週のように1営業日の推移だけで予想が振り回されないように落ち着いて相場と向き合っていきたいと考えています

それでは今週もご覧いただきありがとうございました
土曜日のしーさんの週間ドル円予想は以上です

【インジケーターの基本設定(変更する場合もありますのであくまで参考です)】
・単純移動平均線
5・25・75・100・200日
・ボリンジャーバンド
期間9・乗数(1)2(2)1
・エンベロープ
期間20・乗数1.5
・MACD
期間12・長期26・シグナル9
・DMI
DI14・ADX14・ADXR14
・RSI
期間14・シグナル9
・一目均衡表
転換9・基準線26・先行スパン(1)26(2)52・遅行スパン26

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