電源ユニットの静音性と信頼性

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電源ユニットの静音性と信頼性

電源ユニットはパソコンにはなくてはならない部品であるとともに、うるさいと邪魔に感じ、壊れると非常に厄介です。

いかに音を静かにするのか、いかに壊れにくいものを選ぶのか、パソコンを快適に使っていくうえで大切な事ではないかと思います。

もちろん、これらよりももっと大事なことがありますので、まずはそれを比較して検討していただきたいのですが、騒音と信頼性に重きを置く電源ユニットは製品品質が高い傾向がありますので参考にしたい項目ではあります。

それでは静音(静穏)性からお話をさせていただきたいと思います。

静音性・静穏性

私は静音性を使いますが、静穏性と言う漢字を使うこともあります。

電源ユニットは、パソコンにとってすべての部品に電源を供給する大切な部品です。

パソコンの電源が入っている間は動き続け交流100Vを直流12Vや5Vなどの必要な電圧に変換しています。

そして電圧の変換時に出る熱を、ずっと排熱し続けなければなりません。

そのために、電源ユニットには多くの場合冷却用のファンが内蔵されています。

パソコンのうるさい音と言うと色々あるのですが、代表的なのがファンの回転音・風切り音・振動です。

電源ユニットにあるファンも例外ではありません。

そのため、電源ユニットを販売する各社ともに静音性を高める努力をしています。

その中でもわかりやすい対策が、ファン自体を止めてしまうと言う発想で、主にファンレスとセミファンレスに分けられますが、それだけではありません。

まずは、ファンレスとセミファンレスがどういうものなのか簡単にご説明します。

ファンレス

電源ユニット内に冷却用のファンがありません。

ファンがありませんので、ファンからの音が全く出ないのが強みです。

ファンレスの電源ユニットを使うためには、電源ユニットのファン自体がケース全体の排熱もカバーする場合がありますので、電源ユニットだけではなくパソコン内の他の部品にも配慮したエアフローを考える必要があります。

一般的にパソコンのケース内の部品を冷やすためには、ファンが必要になります。

その中でもCPUを冷やすファンは、CPUだけではなくメモリやマザーボードのチップセットなどを同時に冷却する役割を持っていて、これらの熱をケースファンが効率よく排熱します。

電源ユニットをファンレスにするのであれば、CPU用のファンやケースファンも使わないくらいの設計にするくらいでないと意味がないのではと思います。

もし他のファンがパソコンについているのであれば、セミファンレスでも十分な効果が得られると私は思います。

また、ファンレスは通常の電源ユニットと比較して、電源容量に対してのコストが高くなる傾向があります。

セミファンレス

実際はファンがついていますのでファンレスではありません。

ですが、低温時にはファンが回らないのでそういう意味ではファンレスとも言えます。

信頼度があるブランドの製品なら、個人的には使った感じは良かった印象があります。

しかし、このタイプの電源ユニットは温度が上がるとファンが回るわけですが、それまでの温度上昇には目をつぶるわけですし、ケース内のエアフローをケースファン込みで考えている場合は、ケース内全体の温度上昇も伴ってしまいます。

パソコン内の部品を長持ちさせたいのなら、電源ユニットの排熱ファンが停止していてもしっかりと排熱ができるケースファンを用意するか、電源ユニットのファンを止めない方が良いのではと私は思います。

 

先ほどから静音性を確保しろと言いながら、その努力しているファンレスとセミファンレスをあまり良く言わないみたいですが、これは私の今まで使用してきた電源ユニットの大きさに起因すると思っています。

小型コンパクトタイプの場合、どうしても電源ユニットに採用されるファンは小型のものになり、回転数をある程度上げないと風量が確保できません。

同じ風量を確保するなら、大きなファンをゆっくり回した方が音は静かで済みますがそうはいきませんので、ファンをなくしたり止めたりと言う選択肢は良いのかもしれません。

しかし、私自身のパソコンの環境がATX規格の電源ユニットを問題なく使えるので、静かにしたいなら大きめのファンを使えば良いと言う発想があり、どうしてもファンレスやセミファンレスへの評価が辛めになっているのではと思います。

また、通常の電源ユニットでもある程度こだわりのある製品は、静音性を謳ってファンの回転速度を温度により制御したり、ファン自体を騒音の少ないベアリングモデルにしたりして工夫を凝らしています。

この場合、排熱は常時しっかり行われますので、ケース内の温度も安定しますし、大電力が必要になって発熱が大きくなってもファンの回転数を上げる事で対応できます。

ファン有無や、ファンが止めることができるのかよりも、製品自体が静音性に気を使っているのかどうかをメーカーの製品情報などでぜひ一度確認していただきたいと思います。

また、あくまで個人的な意見ではありますが、パソコンのケース内のファンを全てなくせないのであれば、静音にこだわりつつ十分な数のケースファンで静かに冷やすと言う手段を取った方が全体的にケース内の温度も下がり部品が長持ちしますし、ファン自体もすべて低速で維持できますので、音も静かになるのではないかと思います。

ただ、この場合はファンの数は増えますので、消費電力と部品代はかかってしまいます。

次は信頼性のお話をさせていただきます。

電源ユニットに求められる信頼性

先ほどから何度も言っていますが、電源ユニットはパソコン内部のすべての部品に電源を供給する大切な部品です。

電源ユニットが不安定な動作をしたり、急に壊れてしまったりすると、パソコンの部品に思わぬダメージを与えることもあります。

そういう意味で、電源ユニットには信頼性も求められます。

具体的にどのような方法で、信頼性を比べられるかというと、実際のところ見た目ではほとんどわかりません。

そこで、電源ユニットを販売する各社も製品の説明で自社電源ユニットの特徴として説明していることが良くあります。

その中でもわかりやすいのが、コンデンサと製品保証期間です。

まずはコンデンサのお話からしましょう。

コンデンサとは何?

電源ユニット内でのコンデンサの役割はとても重要で、しかも常時電圧がかかり続けると言う酷使される電子部品です。

どのような働きをするかというと、交流電圧を直流電圧に変換した後に出力した電圧はどうしても多少上下してしまうのですがそれを安定させたり、安定した波形の出力になるようにノイズを取り除いたりします。

電源ユニットで話題になっているのは主に電解コンデンサなのですが、コンデンサの種類の話を細かく説明してもパソコン自体には直接関係ありませんので省きます。

電解コンデンサの品質には電解コンデンサの材質などによって差があるのですが、ほとんどの場合そこまで詳しくコンデンサの種類を説明しているメーカーも珍しいと思います。

その様な中でも説明に比較的よく出てくるのが、「105℃」と「信頼の日本製」というワードです。

105℃電解コンデンサとは

これは、電解コンデンサの使用温度上限を指して説明しています。

電解コンデンサには85℃と105℃の2種類の使用温度上限が用意されています。

電解コンデンサはアルミニウムなどの金属と電解質で構成されていると言う構造上、熱による劣化が避けられません。

そのため、同じメーカーの製品であれば使用温度上限が高い製品ほど品質は高い傾向にあります。

また、105℃電解コンデンサを採用しているとしても、それが全部なのかそれとも一部なのか、一部だとしても熱が発生しやすい場所にしっかりと使用されているのかが重要になるのですが、一部採用の場合にはなかなか確かめるのは難しいと思います。

そして、こっそり書きましたが、「同じメーカーの製品であれば」と言うのが曲者です。

信頼の日本製

そこで次のワード、信頼の日本製が出てくるわけです。

電解コンデンサの製造自体は、様々な国で行われています。

それをわざわざ日本製のコンデンサを採用すれば、コストは上昇してしまいます。

それでも日本製のコンデンサを採用するのは、やはり品質が高いからだと言わざるを得ません。

日本人が日本の製品品質を高いと言ってもなんだか手前味噌な話なのですが、やはり日本製の電解コンデンサの評価は高い傾向にあります。

そのため、粗悪な海外製の105℃品と良質な日本製の85℃品なら、日本製の方が優れているなんてことも起こりえます。

ただ、海外製だからと言って粗悪なわけではなく、良い製品もあるので一概には言えません。

ただこのような事情があるため、「同じメーカーの製品であれば」とわざわざ付け足してみました。

上限温度の表記だけではあてにならないと言うことです。

 

どこまでこだわるのか、これはなかなか難しいです。

正直なところ、電源ユニットの価格が高くなれば、こういう所にもお金をかけて設計することができます。

そして次に来るのが保証期間です。

電源ユニットの保証期間

電化製品の保証期間は大体が1年ではないかと思います。

電源ユニットもそれにもれず、大体の場合は1年保証です。

しかし、メーカーによっては3年や5年、もっと長い保証期間を設けているところもあります。

電源ユニットは消耗品という面もありますので、何年も使えば交換しなければなりません。

かといって安い買い物でもありませんので、あまり早く壊れてしまうのも困ります。

そこでメーカーが設定している保証期間を参考にして、どのくらいの自信をもって製品を作っているのかを測る目安にすると言う考え方です。

 

コンデンサにしても保証期間にしても、まずこれから選ぶと言うわけでは無いと思います。

電源ユニットの規格・容量・価格と色々比べた結果絞り込んだ候補から、さらにコンデンサや保証期間で絞り込む、そういう使い方をしていただけたら一番良いのではないかと思います。

どんなに高品質なコンデンサを使用している保証期間の長い電源ユニットが欲しいと思っても、やはり価格を優先すればその辺は切り捨てるしかありません。

最後に見てほしい口コミ

全てが正しいわけでは無いですが、その前に色々調べてきて絞り込んでいるのなら、そこからの口コミはとても役に立ちます。

電源ユニットに話に限った話ではなく他の部品に関しても、そこにはスペック表などからだけではわからない実際に使ってみた人の感想がたくさんありますので、ぜひ参考にするべきだと思います。

もちろん悪い評価があったとしても、それはすでに自分が調べた範囲で分かっているなら納得して購入できるでしょうし、自分では気が付かなかった良いところや悪いところが新たに発見できるかもしれません。

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